夏の夕暮れ、玄関先に小さく揺れるオレンジ色の炎。子どもの頃、祖父母の家で見たあの火の意味を、大人になった今、あなたは誰かに説明できますか?ご先祖様の霊が迷わず帰ってこられるように灯す道しるべ。それが迎え火です。2026年の日程と、現代の住まいでもできるやり方を、まとめてご案内します。
2026年の迎え火・送り火はこの日
8月盆(全国の多く):迎え火 8月13日(木)夕方/送り火 8月16日(日)夕方
7月盆(東京都心部など):迎え火 7月13日(月)/送り火 7月16日(木)
1. 迎え火・送り火とは?意味をやさしく
お盆は、ご先祖様の霊が年に一度、家族のもとへ帰ってくるとされる期間です。迎え火は「ここがあなたの家ですよ」と知らせる目印の火。送り火は、お盆を家族と過ごした霊を「また来年」とあの世へお見送りする火です。
京都の五山送り火(大文字焼き)も、実はこの送り火の壮大な形。家庭の玄関先の小さな炎と、山に描かれる大の字は、同じ祈りでつながっています。
2. 2026年の日程|あなたの地域はどっち?
時間は夕方17時〜19時頃、暗くなり始めてからが目安。「火を目印に帰ってくる」という意味を考えると、薄暗くなってからの方が理にかなっています。ちなみに2026年の8月13日は獅子座新月×一粒万倍日とも重なる特別な日。ご先祖様を迎える日に新しい願いを立てる、心の節目にぴったりの巡り合わせです。
3. 伝統的なやり方|用意するのは3つだけ
- おがら(麻がら):麻の茎を乾燥させたもの。スーパーや花屋でお盆時期に売られています
- 焙烙(ほうろく):素焼きの平皿。なければ耐熱の平皿や金属トレーでも代用可
- マッチかライターと、消火用の水
手順:①玄関先や門口に焙烙を置く → ②おがらを10cm程度に折って井桁に積む → ③点火し、合掌して「お帰りなさい」の気持ちで火を見守る → ④燃え尽きたら水をかけて完全に消火。送り火も同じ手順で、「ありがとうございました、また来年」の気持ちを込めます。
4. マンション・アパートでのやり方|火を使わない4つの代用
集合住宅では玄関先で火を焚けないことがほとんど。でも大丈夫です。形式より気持ちが本体というのが、多くのお寺の見解です。
- 盆提灯を灯す:最も一般的な代用。玄関内や窓辺に。LEDタイプでOK
- 電池式ろうそく:仏壇や玄関に。火事の心配なく「灯り」を用意できる
- おがらを積むだけ:火はつけず、井桁に組んで飾るだけでも心は伝わるとされる
- ベランダで小さく:規約で許される場合のみ。焙烙の上でおがら1〜2本を短時間で
5. やってはいけないこと・気をつけたいこと
- 火の消し忘れ・強風日の点火:何より安全第一。バケツの水を必ず用意
- 順序の逆転:13日に送り火、16日に迎え火は本末転倒。日程の確認を
- 送り火が早すぎる:16日の朝に焚くのは「早く帰したがっている」ようで避けたいとする地域も。夕方が無難
- お盆中の仏壇の放置:お迎えしたのにお供えも線香もないのは寂しいもの。お盆の過ごし方の記事を参考に
まとめ|炎は、想いを形にする道具
2026年の迎え火は8月13日(木)、送り火は8月16日(日)(7月盆の地域は7月13日・16日)。おがらと焙烙があれば伝統の形で、なければ提灯の灯りひとつでも、ご先祖様への「おかえりなさい」と「ありがとう」は届くとされています。
夕暮れの空の下、小さな炎を見つめる数分間。それは亡き人と心の中で会話する、1年に一度の静かな時間です。今年の夏、あなたの家の灯りが、懐かしい誰かの目印になりますように。