お月見団子を用意しようとして、最初に止まるのがこの二つです。

何個いるのか。どう積むのか。

調べると15個と出てきたり12個と出てきたりして、余計に迷います。答えを先に書きます。

十五夜だから15個、というのが基本です。ただし「1年の満月の数」に合わせて12個(閏年は13個)にする形も、15を簡略にして5個にする形も、どちらも古くからある正解です。積み方は15個なら9個・4個・2個の三段。一番上を天に向けることで、感謝を月まで届けるという意味があります。

個数は3通りある

個数由来積み方
15個十五夜だから15。もっとも一般的9個(3×3)+4個(2×2)+2個
12個1年の満月の数に合わせる。閏年は13個9個(3×3)+3個
5個15を簡略にした形4個(2×2)+1個
13個十三夜のとき。または閏年の12個の形9個(3×3)+4個(2×2)

どれかが正しくてどれかが間違い、ということはありません。家庭で行うなら5個でも成立します。

迷ったら15個です。2026年の中秋の名月は9月25日(金)で、十五夜にあたります。10月23日(金)の十三夜は13個にすると対になります。

積み方には理由がある

15個の場合

個数並べ方
一段目9個3×3の正方形に並べる
二段目4個2×2に並べて上に載せる
三段目2個正面から見て縦に2つ並べる

三段目の2個は、正面から見たときに横並びにならないように置くとされます。横に2つ並ぶと仏事の配置に通じるためという説明が知られていますが、地域によって扱いは異なります。

ピラミッド型に積むのは、一番上を天に向けるためです。収穫への感謝と願いを、月まで届けるという意味だと説明されます。平らに並べるのではなく高さを作ることに意味がある、という積み方です。

白く丸い関東の月見団子と、あんこを巻いた細長い関西の里芋型の団子を並べた比較
関東は月を模した丸型、関西は里芋を模した細長い形

台は三方(さんぼう)

正式には三方という木の台に載せます。三方がない場合は、お皿に白い紙を敷けば十分です。

敷く紙は半紙や奉書紙で、四角い紙を器の大きさに合わせて敷き、角が正面に来るように置く形が知られています。厳密な作法にこだわる必要はありませんが、白い紙を一枚敷くだけで見た目が締まります。

関西の団子が里芋の形をしている理由

ここが、意外と知られていません。

地域特徴
関東白い球形。ピラミッド型に積む
関西里芋型(しずく型)細長い形にあんこを巻く
名古屋周辺しずく型白・茶・桃の三色にすることがある
静岡の一部へそもち中央をくぼませた形

芋名月だから、芋の形

十五夜には「芋名月」という別名があります。稲作が広まる以前、里芋などの芋類が主食だった時代に、秋の収穫物である里芋を月に供えていたことに由来します。

関西の月見団子が里芋の形をしているのは、この里芋に見立てているからです。

団子に巻いてあるあんこにも説明がつけられています。里芋料理の「衣かつぎ」の皮に見立てたという説と、月にかかった雲を表しているという説です。どちらも、形と味の理由を後から言葉にしたものですが、由来としてよく語られます。

つまり関東の丸い団子は月そのものを模した形、関西の里芋型は供えものだった里芋を模した形です。同じ行事の中で、模しているものが違います。

供えたあとは食べていい

よく聞かれる点です。

「お月見どろぼう」は、十五夜の夜に子どもが各家の供え物をもらって歩く風習で、その夜だけは持っていってよいとされます。愛知や千葉など、いまも続いている地域があります。

置く場所と向き

項目目安
場所月が見える窓辺、縁側、ベランダなど
向き月が出る東の空に向けて置く家が多い。厳密な決まりはない
団子とすすきの配置月から見て左にすすき、右に団子とする例が知られる。逆でも差し支えない
室内雨や曇りの日は室内で構わない。供えは月が見えなくても成立する

方角より、時間のほうが大事です。月の出は日没後です。夕食のあと、団子を供えて数分だけ外を見る。それだけでお月見として形になります。

手作りするなら

白玉粉か上新粉で作ります。

食感作り方の要点
上新粉しっかりした食感。伝統的熱湯でこねて蒸してからつく
白玉粉やわらかい。手軽水でこねて丸め、ゆでて冷水にとる
両方を混ぜる中間扱いやすく、積んでも崩れにくい

積むことを優先するなら、やわらかすぎない配合にしてください。白玉粉だけだと、三段目を載せたときに下の段がつぶれることがあります。

まとめ

個数と形は地域と家で違います。違っていることのほうが普通だと知っておけば、実家の形と自分の形が違っても迷わずに済みます。

よくある質問(FAQ)

Q. お月見団子は何個お供えするのが正しいですか?

十五夜なら15個が基本です。ほかに、1年の満月の数に合わせて12個(閏年は13個)にする形、15を簡略にして5個にする形も古くから伝わっており、どれかが間違いということはありません。十三夜には13個、または3個を供えます。家庭で行うなら5個でも十分に成立します。2026年は中秋の名月が9月25日(金)、十三夜が10月23日(金)なので、15個と13個で対にする形が取りやすい年です。

Q. 15個の月見団子はどう積みますか?

一段目に9個を3×3の正方形に並べ、二段目に4個を2×2で載せ、三段目に2個を置いて三段にします。三段目の2個は、正面から見たときに横並びにならないよう、縦に並べるとされます。横に2つ並べる形は仏事の配置に通じるためという説明が知られていますが、地域によって扱いは異なります。ピラミッド型に積むのは、一番上を天に向けることで収穫への感謝を月まで届けるという意味です。

Q. 三方がない場合は何に載せればいいですか?

お皿に白い紙を敷けば十分です。正式には三方(さんぼう)という木の台に載せますが、家庭に常備しているものではありません。敷く紙は半紙や奉書紙で、器の大きさに合わせて敷き、角が正面に来るように置く形が知られています。作法を厳密に守ることより、白い紙を一枚敷いて場を整えることのほうが実際的です。

Q. 関西の月見団子はなぜ里芋の形をしているのですか?

十五夜の別名である芋名月にちなみ、里芋に見立てているからです。稲作が広まる以前、里芋などの芋類が主食だった時代に、秋の収穫物である里芋を月に供えていたことが芋名月の由来とされています。関西の団子は細長いしずく型にあんこを巻いた形が主流で、このあんこは里芋料理「衣かつぎ」の皮に見立てたという説と、月にかかった雲を表すという説が伝えられています。関東の丸い団子が月そのものを模しているのに対し、関西は供えものだった里芋を模しているという違いです。

Q. お供えした月見団子は食べてもいいですか?

食べて構いません。むしろそれが本来の形です。月に供えたものをいただくことで健康や幸せを分けてもらう、という考え方があります。団子はその日のうちにいただいてください。翌日には固くなります。地域によっては「お月見どろぼう」といって、十五夜の夜に子どもが各家の供え物をもらって歩く風習が残っており、その夜だけは持っていってよいとされています。愛知や千葉などで現在も続いています。

Q. 月見団子はどこに、どの向きで置きますか?

月が見える窓辺、縁側、ベランダなどに置き、月が出る東の空へ向けて供える家が多くなっています。ただし厳密な決まりはありません。月から見て左にすすき、右に団子とする例が知られていますが、逆でも差し支えありません。雨や曇りで月が見えない日は室内で構いません。お供えはその年の実りに感謝するためのものなので、月が見えたかどうかとは関係なく成立します。

Q. 月見団子は上新粉と白玉粉のどちらで作りますか?

積むことを優先するなら上新粉、手軽さを優先するなら白玉粉です。上新粉は熱湯でこねて蒸してからつく作り方で、しっかりした食感になり形が崩れにくくなります。白玉粉は水でこねて丸め、ゆでて冷水にとるだけなので簡単ですが、やわらかいため三段に積むと下の段がつぶれることがあります。両方を混ぜると扱いやすく、積んでも形が保ちやすくなります。

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