団子とすすきを用意して、さあ月を見よう、というところで手が止まる。作法を知らないまま形だけ真似していいのだろうか、と気になる方は多いと思います。
2026年の中秋の名月は9月25日(金)です。天文上の満月はその2日あと、9月27日(日)午前1時49分に巡ってきます。名月と満月がずれる年なので、日取りの面でも間違えやすい年になっています。
この記事では、お月見でやってはいけないとされることを、月に向かうこと・お供え・日取りの3つに分けて整理しました。どれも言い伝えであって、破ると罰が当たるという話ではありません。避ける理由まで分かれば、気にする必要のないものが半分くらいだと分かると思います。
2026年 お月見まわりの日付
- 中秋の名月(十五夜):9月25日(金)
- 天文上の満月:9月27日(日)午前1時49分
- 十三夜:10月23日(金)
- 秋分:9月23日(水)/秋のお彼岸は9月20日(日)入り
1. お月見のNGは、大きく3つに分かれます
お月見でやってはいけないとされることは、あちこちで語られています。ただ、並べてみると出どころが3種類しかありません。先に分けてしまうと、迷いにくくなります。
| 種類 | 代表的なもの | どこから来た話か |
|---|---|---|
| 月に向かうこと | 月を指さす | 各地に残る言い伝え |
| お供えの扱い | 供えたものを捨てる/飾りっぱなしにする | 供物をいただくという考え方 |
| 日取り | 片見月/名月と満月の取り違え | 旧暦と天文のずれ |
このうち根拠がはっきりしているのは3つ目だけです。日取りは暦で確かめられます。上の2つは言い伝えなので、気にする方だけ避ければよいとされてきました。
「やってはいけない」の強さは、ものによって違います
同じNGでも、家の中で伝えられてきた作法と、全国的に語られる言い伝えとでは重みが違います。前者は家ごとに正解が違いますし、後者も地域によって理由の説明がばらばらです。
そのことで自分を責めてしまう方もいると思います。でも、去年やり方を間違えたからといって何かが起きるという話ではありません。今年から知っていればそれで十分です。
2. 月に向かってやらないほうがいいとされること
月そのものへの振る舞いについては、昔からいくつかの言い伝えがあります。いちばん広く残っているのが、指さしについてのものです。
月を指さしてはいけない、という言い伝え
月を指さすと指が落ちる、爪がはがれる、耳が落ちるといった言い伝えが各地にあります。落ちるものの部分は地域によって違い、そこが揃っていないことからも、実際の因果ではなく戒めの形だったとみられています。
背景にあるのは、月を神仏に近いものとして扱ってきた感覚だといわれています。神様を指でさすのは無礼だ、という感覚が子ども向けの言い方に変わったもの、という説明が一般的です。理由が分かれば、怖がるより「敬意の表し方の話だった」と受け取れると思います。
写真を撮ってはいけない、という決まりはありません
スマートフォンで名月を撮ることについて、昔からの禁忌はありません。指さしを避けるなら撮影も避けるべきか、と考える方がいますが、そこまでつながる言い伝えは見当たらないとされています。
ただ、画面を見つめている時間が長いと、肉眼で月を見る時間がほとんど残りません。何枚か撮ったら、あとは顔を上げて眺めてみてください。
3. お供えでやってはいけないとされること
お供えは、月への感謝と収穫の報告のために置くものとされてきました。だから「置いたあと」の扱いに、いちばん多くの決まりが残っています。
供えた団子を、そのまま捨てないでください
月見団子は、供えたあとに下げて食べるものとされてきました。供えたものをいただくことで、月の力を分けてもらうという考え方があるといわれています。手をつけずに捨てるのは、その流れを途中で止めることになります。
地域によっては、供え物を子どもが持っていってよいとする「月見どろぼう」の風習も残っています。供えたものが減ることを、よいこととして受け止めてきた土地があるわけです。個数や積み方はお月見団子は何個?15個の積み方にまとめています。
すすきは、飾りっぱなしにしないほうがよいとされます
すすきは稲穂の代わりに飾るものとされ、魔よけの役目もあると語られてきました。役目を終えたあとも枯れたまま置いておくのは避ける、という言い方が各地にあります。
それとは別に、すすきの葉には手を切りやすいという実際の性質があります。束ねるときは根元を持ってください。飾ったあとの扱いはお月見にすすきを飾るのはなぜ?で詳しく書いています。
お供えの向きは、家の作りに合わせて決めてかまいません
三方や皿を置く向きについて、全国で一つに決まった作法はありません。月から見える側に団子を積む、という言い方が多いですが、窓の位置は家ごとに違います。
置ける場所に置いて、月が見える方へ体を向ければ十分だとされています。ここは厳密に考えなくて大丈夫です。
4. 2026年だけの注意|9月25日を満月だと思って動かないでください
今年いちばん間違えやすいのが、ここです。中秋の名月と満月は同じ日だと思われがちですが、2026年は2日ずれます。
| 日付 | その日が何の日か | 向いていること |
|---|---|---|
| 9月25日(金) | 中秋の名月(十五夜)。暦の上の寅の日 | お月見。団子とすすきを供える |
| 9月26日(土) | 一粒万倍日 | 始めたいことに手をつける |
| 9月27日(日)午前1時49分 | 天文上の満月 | 満月に合わせる習慣 |
ずれる理由は、旧暦と天文の数え方が違うからです
中秋の名月は旧暦八月十五日の夜を指します。旧暦の一日は新月の日に置かれますが、新月から満月までにかかる時間は毎回同じではありません。そのため十五日目が満月とずれる年が出てきます。
2026年はそのずれが大きい年です。詳しい仕組みは中秋の名月2026はいつ?満月と2日ずれる理由に書いています。
財布や願い事の習慣は、27日に回してください
満月に財布を月にかざす、手放したいことを書く、といった習慣は天文上の満月に合わせるものとされています。名月の夜にやっても意味がないというわけではありませんが、日付で選ぶなら27日です。
逆に、団子やすすきを供えるのは25日です。目的が違うので、同じ夜に無理やりまとめなくてかまいません。金額や日取りの詳しい使い分けは満月の金運習慣は9月25日と27日どっち?にまとめました。
5. 「片見月」と、月が見えなかったとき
日取りに関わるNGが、もう一つあります。十五夜だけを見て、秋のもう一つの月見を見ない、という状態です。
十五夜だけ見るのは縁起がよくない、といわれてきました
十五夜と十三夜のどちらか片方だけを見ることを「片見月」と呼び、縁起がよくないとする言い伝えがあります。2026年の十三夜は10月23日(金)です。ひと月ほど先なので、カレンダーに印だけ入れておくと忘れにくいと思います。
これも、守らないと悪いことが起きるという話ではないとされています。二度目の月見まで含めて秋の行事だ、という受け取り方のほうが近いです。十三夜2026は10月23日|片見月とは?で詳しく扱っています。
雨や曇りで見えなくても、失敗ではありません
雨の名月を「雨月」、雲に隠れた名月を「無月」と呼びます。見えないことをわざわざ名前で呼んできたということは、それも含めて楽しんできたということです。
2026年は25日から27日まで、月見に向く夜が3日続きます。25日が曇りでも、翌日以降に回せます。中秋の名月が雨や曇りだったらどうする?に、その夜のすごし方をまとめています。
6. 避けることより、やってよいことのほうが多いです
ここまでNGを並べてきましたが、実際に気をつけるのは日取りくらいで足ります。あとは形式より、月を見上げる時間があるかどうかだといわれています。
- 供えたものを手つかずで捨てること:下げて食べるまでが一続きとされています
- 名月の夜に満月の習慣をまとめてやること:満月は9月27日(日)午前1時49分です
- 見えなかった日を凶ととること:雨月・無月という受け止め方が古くからあります
団子が用意できなければ、買ってきたお菓子でもかまいません。すすきがなければ、庭や道ばたの草を一本飾るだけでも形になります。ひとつだけで十分です。
まとめ|9月25日の夜、5分だけ見上げてみてください
2026年の中秋の名月は9月25日(金)、満月は9月27日(日)午前1時49分。お月見のNGとされることのうち、暦で確かめられるのは日取りだけで、あとは各地の言い伝えです。
指さしを避ける、供えたものは下げて食べる、日付を取り違えない。この3つを覚えておけば、あとは自由にしてかまわないとされています。金曜の夜、5分だけ空を見上げてみてくださいね。
🌕 お月見2026(中秋の名月 9月25日・十三夜 10月23日)の記事
よくある質問(FAQ)
Q. お月見でやってはいけないことは何ですか?
広く語られてきたのは、月を指さすこと、供えたものをそのまま捨てること、十五夜だけ見て十三夜を見ない「片見月」の3つです。いずれも各地の言い伝えであって、破ると罰が当たるという性質のものではないとされています。気になるものだけ避ければ十分です。
Q. 2026年の中秋の名月と満月は同じ日ですか?
違います。2026年の中秋の名月は9月25日(金)、天文上の満月は9月27日(日)午前1時49分で、2日ずれます。旧暦の十五日と、月が地球から見て真正面に来る瞬間が一致しないためです。お月見は25日、満月に合わせる習慣は27日と、目的で使い分けてください。
Q. お供えした月見団子は捨ててもいいですか?
捨てずに食べるものとされてきました。供えたものをいただくことで月の力を分けてもらう、という考え方が背景にあるといわれています。地域によっては、子どもが供え物を持っていってよいとする「月見どろぼう」の風習も残っています。
Q. 雨で月が見えなかったらお月見は失敗ですか?
失敗ではありません。雨の名月を「雨月」、雲に隠れた名月を「無月」と呼び、見えないこと自体を趣のある景色として受け止めてきた言葉が古くからあります。2026年は9月25日から27日まで月見に向く夜が3日続くので、翌日以降に回す手もあります。
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