お盆が終わりました。

送り火を焚いて、片づけをして、いつもの暮らしに戻る。そのとたん、家のなかがやけに静かに感じられることがあります。

そういう夜に、ふと浮かんでくる人がいませんか。もう会わないと決めたはずの人。連絡先は残っているけれど、開いていない画面。

そして、そのことで自分を責めてしまう。まだ引きずっているのだろうか、と思ってしまう。

先に書いておきます。8月後半に同じことを感じる人は、本当にたくさんいます。あなたが弱いからではありません。

なぜ、この時期なのでしょう

理由はひとつではないと思います。思いつくものを、順に書いてみます。

日が、短くなってきたから

夏至を過ぎてから、日の入りは少しずつ早まっています。8月の後半にもなると、夕方の暗くなり方が7月とはっきり違います。

ひとりの時間が、少し早く始まる。それだけのことなのですが、暗い時間が長くなると、考えごとをする時間も自然に長くなります。

昼のうちは平気なのに夜だけつらくなる、という方が多いのは、そのあたりに理由がありそうです。

お盆が、「会えない人」を思う行事だから

お盆は、亡くなった方が帰ってくるとされる期間です。迎え火を焚いて、お墓に行って、手を合わせる。会えない人のことを思う日が、何日も続きます。

そうやって心の引き出しを開けていると、そこに入っているのは亡くなった方だけではありません。もう会わないと決めた人も、同じ引き出しに入っています。

送り火が終わって、家が静かになったとき。開いたままの引き出しから、思い出のほうが先に出てくる。そういう順番になりやすいのだと思います。

夏の記憶は、なぜか強く残るから

縁側の板の間に置かれた、飲みかけの麦茶のグラスとうちわ
夏の思い出は、なぜか匂いや音とセットで残っている

花火、海、お祭り、帰省。夏は、特別なことをする季節です。

そして特別なことをした記憶は、匂いや音とセットで残ります。線香花火の煙、遠くの太鼓、夜のぬるい風。

ですから、同じ匂いや音に出会うと、記憶のほうが先に立ち上がってきます。思い出そうとしたわけではないのに、思い出してしまう。そういうことが起きやすいのだと思います。

暦のうえでは、もう秋に入っています

意外に思われるかもしれませんが、8月7日の立秋を過ぎた時点で、暦のうえではもう秋です。

そして8月23日が処暑。暑さがやわらぎはじめる頃とされる日です。

もちろん、実際にはまだ暑い日が続きます。それでも日の入りは早くなり、朝晩の空気は少しずつ変わってきています。

体はまだ夏なのに、暦と光はもう秋。この食い違いが、8月後半の落ち着かなさをつくっているのだと思います。

季節の変わり目に気持ちが揺れるのは、昔からよく言われてきたことです。いまのあなたの揺れは、季節のほうに引っぱられている分がかなりあるはずです。

思い出すことと、戻りたいことは違います

ここは、はっきり書いておきたいところです。

楽しかった夏を覚えているのは、その時間がちゃんとあったというだけのことです。むしろ、きれいさっぱり何も思い出せないほうが、少し不自然かもしれません。

思い出す自分を、責めなくていいと思います。

気をつけたいのは、思い出したあとに「じゃあ、連絡してみようかな」まで一気に進んでしまうときだけです。

思い出すところで止めておけるなら、それは記憶であって、未練とは違うものです。

思い出してしまう夜の、過ごし方

大げさなことは書きません。今夜のうちにできることだけを挙げます。

1. 決めごとは、朝まで持ち越す

夜に決めたことは、翌朝にはまったく違って見えることがあります。とくにこの時期は、その差が大きくなりがちです。

送りたい文章が浮かんだら、書くところまではやってかまいません。ただ、送信だけは朝まで待ってください。読み返したうえで、それでも送りたいと思えるなら、そのときに送れば大丈夫です。

実際には、翌朝に読み返すと「これは送らなくてもいい」と思えることのほうが多いはずです。

2. 占いを読むのも、朝にする

これも同じです。夜に読むと、同じ文章でも暗いほうに受け取ってしまいます。

カードを引くなら、相手のことではなく今日の自分を1枚だけ。できれば朝に引いてください。夜中に何度も引き直すのは、いちばん疲れる読み方になります。

3. 冷たいものを、少し減らす

占いの話から少し離れますが、これがよく効きます。

夏のあいだにたまった疲れは、8月後半から9月にかけて出てきます。体がしんどいと、気持ちも下がります。逆に言えば、体を少し整えるだけで、夜の重さがずいぶん変わります。

温かいものを飲んで、いつもより少し早く休む。それだけでも変わります。

4. 思い出したことを、一行だけ書く

思い出したことを消そうとしなくてかまいません。かわりに、日づけと、そのとき何をしていたかを一行だけ書き残しておいてください。

「8/17 夜 送り火の片づけをしていて思い出した」くらいで十分です。

書いておくと、9月に入ってから読み返せます。季節のせいだったのか、それとも続いているのか。一度きりでは見分けがつきませんが、いくつか並ぶと自分でも判断できるようになります。

9月に入ると、少し変わります

気休めではなく、実際に変わってきます。

空気が変わると、思い出す回数も変わります

9月になれば、朝晩の空気がはっきり秋になります。生活のリズムも切り替わります。お盆という行事が終わって、しばらく「会えない人」を思う日がなくなります。

暦のうえでも、9月にはいくつか節目があります。9月の開運日のような区切りを目印にすると、気持ちが流れていく感じをつかみやすいかもしれません。

それでも思い出すようなら、そのときは季節のせいではないということになります。考えるのは、そこからで十分です。いま急いで結論を出す必要はありません。

ひとつだけ、お願い

夏の疲れが出やすい時期です。気持ちが下がっているときは、まず寝てください。

そのうえで、二週間以上ずっと眠れない、食事がとれない、生活が回らないという状態なら、占いではなく医療機関や公的な相談窓口を頼ってください。気持ちの問題として片づけないほうがいい段階があります。

まとめ

今夜思い出したことは、それだけでは何も決めていません。まずは、ゆっくり休んでください。

よくある質問(FAQ)

Q. 夏の終わりに元彼を思い出すのは、なにかのサインですか?

サインかもしれませんし、季節のせいかもしれません。正直なところ、一度きりでは見分けがつきません。ただ、8月後半に昔の恋を思い出す方はとても多いです。日が短くなって、お盆で人が集まって、夏が終わっていく。思い出しやすい条件がいくつも重なる時期だからです。ですので、いま浮かんできたことを、すぐ「サインだ」と決めなくてかまいません。もし気になるなら、日づけと、そのとき何をしていたかだけメモしておいてください。9月に入っても同じことが続くなら、そのときにゆっくり考えればいいと思います。

Q. お盆のあとに昔の恋人のことが浮かぶのはどうしてですか?

お盆は、亡くなった方が帰ってくるとされる時期です。会えない人のことを思う日が何日も続くので、心のなかの「もう会えない人」の引き出しが開いたままになります。その引き出しには、亡くなった方だけでなく、もう会わないと決めた人も一緒に入っています。送り火が終わって家のなかが急に静かになったとき、開いた引き出しから思い出のほうが先に出てくる。そういう順番になりやすいのだと思います。特別なことでも、いけないことでもありません。

Q. 思い出してしまう自分が情けないです。

情けないことではありません。思い出すことと、戻りたいことは別物だからです。楽しかった夏を覚えているのは、その時間がちゃんとあったというだけのことです。むしろ、何も思い出せないほうが不自然かもしれません。気をつけたいのは、思い出したあとに「じゃあ連絡してみようか」まで一気に進んでしまうときだけです。思い出すところで止めておけるなら、それは記憶であって未練とは違います。

Q. この時期に連絡してもいいですか?

送る前に、ひとつだけ確かめてみてください。返事が来なかったとき、そのあとの一週間を普通に過ごせそうですか。過ごせないと感じるなら、いまは送らないほうがいい時期です。夏の終わりは気持ちが揺れやすいので、夜に決めたことが翌朝にはまったく違って見えることがよくあります。どうしても送りたいなら、一晩置いて、朝にもう一度読み返してから決めてください。それでも送りたいと思えるなら、そのときに送れば大丈夫です。

Q. 8月後半は、暦のうえではどういう時期ですか?

暦のうえでは、もう秋に入っています。8月7日が立秋で、そこから暦は秋あつかいです。そして8月23日が処暑。暑さがやわらぎはじめる頃とされる日です。実際にはまだ暑いのですが、日の入りは少しずつ早くなっていて、朝晩の空気も変わりはじめています。体はまだ夏なのに、暦と光はもう秋。この食い違いが、8月後半の落ち着かなさをつくっているのだと思います。

Q. 気持ちが落ちて何もできません。どうしたらいいですか?

夏の疲れが出やすい時期でもあります。まずは、しっかり休んでください。占いを読むのも、夜中ではなく朝にしてください。夜に読むと、同じ文章でも暗いほうに受け取れます。そのうえで、二週間以上ずっと眠れない、食事がとれない、生活が回らないという状態なら、占いではなく医療機関や公的な相談窓口を頼ってください。気持ちの問題として片づけないほうがいい段階があります。

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